HOME / MAISON DOEL ── CHAPITRE 02

逢坂 尚志

Hisashi Osaka — Chef-Pâtissier

関東に育ち、パリに学び、
いま北摂で、焼いている。

PORTRAIT

手のひらの皺、爪の白い部分の小ささ、指先の温度。
店主に会ったことのない方にも、ここから店の声が届くようにと思って、手だけを撮らせてもらいました。

─ NOVEMBRE 2025 / ATELIER
RÉCIT
関東から、パリを経て、北摂へ
READING ─ 3 MIN

— I. KANTŌ関東の豊かな風土のなかで育ち、感性を育みました。長い時間を過ごした土地の記憶は、いまも菓子づくりの根にあります。やがて、海を渡ることを決めます。

— II. BELGIQUEはじめの地はベルギー。ブリュッセルの「Pâtisserie Mahieu」、ワーテルローの「Pâtisserie Ducobu」で働き、伝統の菓子と、それを支える手の仕事を学びました。

— III. PARISフランスへ移り、「Arnaud Larher」、シュレーヌの「L'Épi de Suresnes」、そして「Carl Marletti」へ。数年のあいだに、本場の技術を身体に染み込ませました。いまも交流の続く Marletti 氏をはじめ、関わってくれたすべての人が、私の師です。

— IV. OSAKA帰国後、大阪へ渡り、二〇一五年ごろからドエルの運営に携わって、二代目として店を継ぎました。日々のお客さまと向き合う、北摂での暮らし。国境や文化を越えて交差してきた歩みと、海を渡った技術と、異なる土地で培った五感。「une vie deux pays(ひとつの人生、ふたつの国)」――その想いを、ここでしか味わえないお菓子に映しています。

「une vie deux pays
――ひとつの人生、ふたつの国。」

─ HISASHI OSAKA
SAVOIR-FAIRE

看板の、三つの手仕事。

I.
Pâte sablée

発酵バターを冷たいまま、手の体温を伝えずに崩す。約三〇〇回。

II.
Cornet

OPP の紙を、十秒で巻く。糸を引くようにしぼる。

III.
Feuilletage inversé

バターで生地を包む逆折り。四日かけて折る、七二層。

─ BONBONS AU CHOCOLATTARTE AU CITRON